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海の青さに負けない高校生たちの本気の青さ - 周南高校生写真大会2021 - 1日目

初めての開催となる周南高校生写真大会の表彰式。優勝校の発表で歓喜の声があがった。
優勝したのは、新南陽高等学校総合文化部写真部門のチームぱおん。他校には全国レベルの強豪写真部もいた中で、この優勝は本人たちにとっても予想外ではなかっただろうか。
しかし、彼女たちの本気の2日間を見ていれば、結果は妥当だったと言い切れる。うれし涙とくやし涙が交錯する会場は、参加者、大会関係者の達成感で包まれた。
初めて開催する、小さな大会ではあったが、会場となった周南市の港の海の青さに負けない、高校生の本気の青春の青を見ることができた大きな意味を持つ大会だった。

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周南高校生写真大会2021

ふるさとの景色、その魅力を周南エリアの高校生が、高校生の感度でカメラを通して切り取り、作品(組写真)を発表することで、まちの魅力の発見とふるさとへの想いを深め、さらに、参加者と応援する地域の皆さまとが写真を通じてつながることを目的とした大会で、開催期間は、2021年10月23日(土曜日)から24日(日曜日)の2日間。

出場校、チーム名 (4校、7チーム)

山口県立新南陽高等学校(周南市)
・チーム名「ぱおん」
山口県立南陽工業高等学校(周南市)
・チーム名「Another」
山口県立下松高等学校(下松市)
・チーム名「チーム六本木」
・チーム名「くだあーと」
・チーム名「オフホワイト」
山口県立下松工業高等学校
・チーム名「みししっぴ隊」
・チーム名「下工弁慶号」

作品テーマ

こころにとどめておきたい「ふるさとの風景」
(今回の撮影地は「港」)

作品規定

・4枚から6枚の組写真
・白黒・カラー不問
・画像データ(JPEG形式)で提出
※主催者で2Lサイズにプリントし、審査を行います。
※作品審査のため、作品の内容についてプレゼンテーションを行います。

審査員

・藤岡 亜弥(広島県在住)
広島県出身。日本大学芸術学部写真学科を卒業。2007年には文化庁新進芸術家海派遣制度奨学生としてニューヨークに滞在。2016年に発表の写真展「川はゆく」で、2017年の第41回伊奈信男(いなのぶお)賞、同年新たなショットを加え発表した写真集「川はゆく」で、2018年に第43回木村伊兵衛賞と周南市文化振興財団主催の第27回林忠彦賞を受賞した気鋭の写真家。
・有田 順一(周南市在住)
周南市美術博物館館長(2010年~)。詩人 まど・みちおと30年以上にわたって交流。童謡や詩作以外に、画家としての一面にも注目し「まど・みちお え てん」などの展覧会を企画、開催。写真賞「林忠彦賞」審査員。
・川上 優(周南市在住)
ポートレート撮影を中心に、2018年 東京でフォトグラファーとして独立。2020年 地元周南市に活動拠点を移す。現在、周南市シティプロモーションスペシャルサイトの人物撮影など担当。

会場

撮影場所/福川港、周南大橋、徳山下松港周辺
写真セレクト会場/徳山駅前図書館 交流室2
プレゼンテーション会場/徳山駅前図書館 インフォメーションスペース

大会レポート

Day 1 - 2021年10月23日(土)

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9:00 開会式
いよいよ開会を迎える周南高校生写真大会2021
初開催のため参加者もですが、関係者も緊張気味でした。

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開会式では、開会宣言に続き、参加7チームの紹介を行いました。

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各チームの代表者から大会に参加するにあたっての想いを発表しもらい、
2日目の作品プレゼンテーションの発表順抽選。
1番は引きたくないと緊張気味の参加者…

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メンバー紹介が終わり、市長から参加者にメッセージ。
「誰にでも心に残る忘れられない風景やシーンはあると思います。特に、ふるさとは、いつまでも離れがたい場所であり、ふるさとを思う気持ちは、どこに住んでいても、大切にしてほしいと思っています。どうか撮影するときは、自分のふるさとであると意識して、シャッターを切ってください。そのシーンをいつまでも忘れないでください。」
たくさんの想い出を2日間で切り取ってほしいなぁ…

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審査員長の藤岡亜弥先生からも応援のメッセージ
「今しか撮れないふるさとの風景を、高校生らしく切り取ってください!」

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そして、各チームのサポートスタッフなどボランティアメンバーを紹介し、いよいよ最初の撮影地である福川港へ!

9:50 バス移動

今大会の撮影舞台は、来年2022年2月に開港100周年を迎える周南市内の徳山下松港エリアを巡ります。

バス乗り込み

10:20 福川港エリア撮影開始
福川港では、さっそく港で釣りを楽しむ人たちなどを中心に撮影が進みました。釣り人に声をかけ撮影をするなど、初めての経験をする参加者にとっては貴重な体験です。

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漁港ということもあり、近くの水産加工会社を訪問し、水揚げされた魚の加工の様子の撮影にチャレンジしたチームもありました。頼もしい…

福川港01

福川港では、漁港ということもあり漁船が係留された風景が海の様子が印象的でした。

11:30 昼食
昼食は、今大会に参加する高校生を応援したいと、JR徳山駅西エリアで地域活性化に取り組む「有楽町地域ラボ街づくり協会」の会員である6店舗がそれぞれ自慢の1品を集めた「有楽町で逢いましょう!弁当」を考案し参加者に提供いたしました。

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少しでも自分たちのまちのことを知ってほしい。今日のことを良い想い出にしてほしいと、各店主が話し合いメニューを考えたそうです。
サラダに、おかずに、ご飯に、食後の和菓子まで…

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さて、お腹も満足。午後からも撮影です。

12:30 周南大橋エリア撮影
周南大橋は、陸海運送の効率向上のために架けられた全長約1kmの橋です。山口県内で3番目に長い橋で、その橋の上からは、工場の夜景とコンビナートに立ち並ぶ巨大な煙突などを見ることができる工場夜景ビュースポットです。が、昼間にそこをいかに風景として切り取るかが、今回の課題です。

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橋を撮る方が印象的だったのか、橋から撮るのが正解だったのか、高校生たちにとって難しい課題だったようです…

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いつも眺めている永源山の風車もまた、ふるさとの風景。

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14:00 撮影終了
想い想いの風景を切り取り、本日の撮影は終了。
この後、徳山駅前図書館に移動し、撮影した写真の中からセレクトし組写真を作るワークショップに臨みます。

14:30 写真セレクト
写真セレクトでは、よく撮れた写真だけを選ばないこと。
失敗した写真の中にも、組写真の中で生きる写真があることをお願いし、この後の組写真ワークショップに使う40枚の写真をセレクト。

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3人で撮った数百枚の中から選ぶ40枚。頭を悩ませます。

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17:30 組写真ワークショップ
組写真とは、数枚の写真でストーリーを作ること。見せるのではなく、読ませることが大切。セレクトの際は、トーン(色調)を統一させ、説明をし過ぎず、想像をかきたてる写真をリズムよく選ぶこと。そしてタイトルがとても重要になること。組写真についての講義の後は、いよいよ実践です。

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各チームがセレクトした40枚の写真を元に、藤岡亜弥先生が組写真を作ってゆくフォトキッチン。机の上に並べて40枚の写真(素材)から作れる、ストーリー(料理)を作って行きます。

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なぜこの写真を撮ったのか、なぜこの構図にしたのか、何を表現したかったのか、記録されたものが語ろうとすることを見つけて、トーンを合わせて組み合わせを考えて行きます。

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もう1枚こんな写真があれば、ここをもっと寄って撮った写真があればよかったのに……
時には、厳しいアドバイスもありますが、自分たちの写真が、組写真となりストーリーを生み出していくのを体験しました。

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20:00 1日目終了
長かった初日が終了しました。合宿のごとく詰め込まれた内容となりましたが、高校生たちは確実に何かを掴んだ実感があるようでした。
組み上がった写真を見て、明日の自分たちのチームの方向性、作戦を考えます。
2日目は、撮影、セレクト、組写真作成、プレゼンテーションまで、全て自分たちで行わなければなりませんから…

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2日目へと続く……

記事:小濱奈由多 / 写真:浅原透、酒井菜奈

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